閉鎖空間のSNS以外で、読書メインのやっつけブログを2010年開設→12日間で無残にも放置→2011年311から3ヶ月を契機に「原発事故考察」の為に復活。 読了日記は自分の備忘録の為、ネタバレ満載ご容赦!


by akane-kmj
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30

カテゴリ:読了:ファンタジー/冒険( 2 )



 著者:福​永​令​三
 ISBN9784061471344 講談社青い鳥文庫 (20‐4) \609円
 1984年03月10日
 クレヨン王国のパトロール隊長
 Amazonで購入



 子どもが図書館から借りてきて夢中になっているのを見て、順番も考えずに手に取った、クレヨン王国シリーズとの出会いの最初が、この『クレヨン王国のパトロール隊長』でした。
ちょっとだけ目を通すつもりがすっかり惹きこまれ、手に取ったその場に座り込んで、結局読み切ってしまいました。
初期のクレヨン王国の良いところは、分冊になっているものを除けば、それほど順番にこだわらなくとも、一冊一冊、シリーズを意識せずに読み切れるところかと思います。
後半はそうはゆかず、お話も登場人物も前後の関連を無視できませんが。

 このパトロール隊長はシリーズ初期の物なので、これ1冊でも完結した物語として読めます。
主人公は小学5年生の男の子、ノブオ。
子どもが、子どもとしてではなく、人格ある1人の人間として誠実に描かれており、その視点があるからこそ、ちょっとした誤解やズレが生む児童と先生のぎくしゃくとした関係を見事に描写できているのでしょう。
教師も児童も、ひとつの人格・多様な感情を抱えている人間であるという現実を前に、好き・嫌い・苦手意識を持つべきではないという建前は、人を窮屈にし、窮屈を我慢し過ぎると、いずれどこかがほころびます。

 ほころびが「叱り」「叱られる」という行為で現れる時、子どもは、子どもにとって理不尽な上下関係を、思い知らされます。
そのやりきれなさを抱えて、ノブオは集団行動から外れて山へ駆け出し、道に迷い・・・・・
・・・・・不思議なクレヨン王国へ。
そこでノブオは、「パトロール隊長」という役目を命じられ、様々な冒険と貴重な経験をすることになります。

ノブオがそこで得たもの、それがこの物語の真髄といえるかもしれません。
[PR]
by akane-kmj | 2010-10-10 00:00 | 読了:ファンタジー/冒険
著者:奥田英朗
(上)ISBN978-4-04-386001-2 角川文庫お56-1 \552+税
(下)ISBN978-4-04-386002-9 角川文庫お56-2 \514+税
平成19年年8月31日初版発行版
2005年6月角川書店刊行本の分冊文庫化
映画になっただけはあります☆☆☆
   

前日読み終えた短編集『ガール』が、思いのほか軽めのものだったので、
あれ?奥田英朗って、こんな感じだっけ?と、どうにも納得行かず、
以前読んだ(筈)の『サウスバウンド』を開いたら、
さすが、一気読みさせるエンターテインメント作家・・・
読みながら思い出しつつ、最後はどうなったっけ?と
ついつい読んでしまいました(笑)

どうしたことか、年初に読んだ数冊、申し合わせたように物語の核に「12歳」の子どもが据えられています。






以下、ネタバレを嫌う方は読むのをお控えください。



元過激派の父=上原一郎に翻弄される12歳の息子=上原二郎・・・といっても、
父は60年代後半~70年代前半の「あの全共闘時代」の闘士ではないという設定が、
奥田らしい「軽妙で痛快」な語りに生かされていて
「なんとなく沖縄問題」や「なんとなく環境問題」などなど、
それなりの主張はありながらも、豪放磊落な展開を見せて
最後は、奥田英朗って良い人なんだろうなぁと、ちゃんと思わせてくれる内容とオチ。

都心、中野ブロードウェイを通学路にする二郎が、親の因果が子に報いとばかり、
トイレが汲み取り式の沖縄の離島に一家で移り住むまでの、
元過激派を父に持つ家族のドタバタ劇の第一部と、
沖縄の離島に引っ越してまでゴタゴタに巻き込まれる父の業に、
やはり付き合わされてウンザリしながらも、
全く別な目で父を母を姉を見つめなおして、家族が家族として機能して行く様を描ききった第二部。

第一部には、子どもが大人の事情に振りまわされながらも
「子どもの事情」でしか対応できないことへのジレンマなどが
12歳目線で描かれていて、そのあたり秀逸。
ただ、最近、どういうわけか「12歳」が登場する小説を続けて読んでいるため、
つい比較してしまい、奥田英朗の描く12歳は、残念ながらやや幼く感じてしまった。
人によってフィールドが違うのだから、これはやむなしかもしれないが、
世の大人が信じて疑わない12歳の枠、そこに無理に押し込めないでもいいのではないかと思う。

たいへん読みやすく、映画の絵なども自然に浮かぶホンなので、
息抜きとして痛快な思いに浸りたい時・人向き。
[PR]
by akane-kmj | 2010-01-06 15:00 | 読了:ファンタジー/冒険