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閉鎖空間のSNS以外で、読書メインのやっつけブログを2010年開設→12日間で無残にも放置→2011年311から3ヶ月を契機に「原発事故考察」の為に復活。 読了日記は自分の備忘録の為、ネタバレ満載ご容赦!


by akane-kmj
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「つぶやき」で乱れきってしまいましたが、
数時間寝て、少し気持ちの整理ができて来ました。
もう少し文章にして、今一度整理してみます。

でも、落ち着いたと同時に、これ以上ないほどの怒りに襲われています。

 福島

つい最近まで「ご近所さん」だった親友が、
訳あって、福島へ希望に満ちた転居を果たしたのが昨年3月。

原発から直線で25(~27)キロの住居。

情報操作なのか、必要に迫られたパニック抑止報道なのか
現地の様子はニュースで見るような「安穏」としたものではありません。

彼女は仕事が身に染み込んだような、
あるいはその性格が仕事を選ばせたのか、
主に高齢障害者を対象にした福祉の専門家。

原発から30キロ以内の場所にある、民宿も出来そうな大きな住居に、
近隣の災害弱者の方々を受け入れて、自分は動かないと決めたようです。
もっと早くに大阪にある「本宅」に帰る選択肢もあったのに、
ニュースとは違う「異常さ」の中で 、大きな決断をしたのだと思います。
そういう人ですから。

ゆうべからは、目の前の大きな道が、避難する何万という車で身動きの取れない状況。
雪の中、ガソリン補充の場所にさえ、 いつ辿り着くのか分からない今となっては、
ますます動けないと。

一晩明けて今朝。
防護服の関係者が、なおも、
彼女の家の前を避難勧告をしながら周っているとのことですが、
動ける状況ではない事情はますます深刻。

もう1ヶ月以上前から、非常に頻繁な地震に見舞われていた原発の地。

人間のすることに「絶対」は、絶対にないのに、
制御できないものを強引に作り続ける「ヒト」という種。
せめて、最悪を考えた事前策は取れなかったのか。

もっと早くに、少なくとも「群発地震」が起き始めた頃から、
最悪の時の逃げ道確保・誘導は、あってしかるべき。

************************

慣れない地での再就職も果たし、
数々の「田舎での難問」にも、むしろ張り切っていた、
原発から直線距離で25(~27)キロの場所に
今は、立てこもり状態のこの親友。

また、
一緒に北海道巡りまでした「遠野」が縁の友人は
電話は通じているけれど返事はない。
171への登録もない。
明るくて、でも繊細な彼女が無事なら、どれほど傷ついていることか、
そもそも、無事なのか・・無事であってと祈ることしか出来ない。

さらに、
やっと1歳になった赤ん坊を抱えての数々の試練の果てに、
やっと見つけた保育園での「ならし保育」を経て、再就職して、
やっとやっと、いろいろなことが軌道に乗り始めたばかりの、
宮城仙台の、大切な大切な友。
これから、本当に、「これから」が、彼女の人生。

そして、
私をSNSに誘ってくれて、
仙台での牛タンオフ会をした、システムエンジニアの若い友人は
まだ育ち盛りの3人のお子さんと奥さん。
優しくて、30歳になっても茶目っ気たっぷりの、ナイスガイ。
いつもいつも新しいことに挑戦する、気概あふれるタフガイ。

************************

どうやって自分の気持ちを落ち着けたらよいのか、途方に暮れ、
こうして文字にしながら、やっぱり涙が止まらないや。
# by akane-kmj | 2011-03-13 10:05 | 311大地震・災害 被災者

311当日(1)

大阪のとある中高層ビルの10階で、
ワークステーション画面を前にしてのヘッドセットによる
パートタイマーのテレフォンオペレーターとして
いつもどおり就業(架電)中の、14時45分頃。

ゆらゆらと緩慢な「揺れ」を感じて、「おやっ?」と周囲を見回すと
大窓の縦型ブラインドが大きく左右に振れていて、フロア全員がざわつきはじめ、
それでも尚、揺れは止まることなく段々とふり幅は大きくなって、
多分30秒どころか1分以上たってから、隣の席の係長クラスの社員が通用ドアに走り、
手で開放した状態を維持して(通常は、セキュリティ上開け放したままが不可)避難路確保。
特段の指示もないため皆はそのまま自席に座ったままで
数分間に及ぶ揺れが収まるのを不安なまま待った。
(課長は席を立ってフロアを見渡したまま声を発せず)

やがて揺れが収まって、社員(どなただったか不明)から、
「全員、架電を止めて、そのまま待機してください。」 の指示。
私の席の横では、インターネットに繋がる課長席のワークステーションで
先の係長クラスの社員と課長が、画面を眺めたあと、二人で笑顔の立ち話。

「宮城が震度6で千葉が震度5だってさ」
「大きかったですね」
「まぁ、多分どこにも繋がらないだろうから今あわててもどうにもならないし」
「ですよね」

と、(まるで今日はお天気がいいねえとでもいうように)にこやかにご歓談。
フロア全体には100名以上の職員(社員と大勢のパートタイマー)がいるが、
二人の持つ情報が、皆にアナウンスされることはありませんでした。

『宮城-千葉の広域にわたって震度5~6、そして遠く離れた関西の大きな揺れ・・・
阪神淡路どころではないかもしれない』
直感的に、そう感じた私は、
宮城の友人達や千葉に住む娘家族の安否を思いわずらい、気もそぞろながら

『大勢のパートタイマーの中には
この地震で大きな被害を受けたであろう地域に縁故者を持つ者も多いだろうに
せめて
「宮城から千葉にかけてのたいへん大きな地震で大きな被害も予想されますが
今は、どこも通信不能でしょうし、迷惑通信になる可能性があります。
詳細や対応は逐次アナウンスしますので、皆さんは落ち着いて指示を待ってください」
と、その程度の、最低限のことも思いつかないのか、
少なくとも目立つ場所で、笑いながら話す内容ではないだろう』

と、若い管理職二人の危機感欠如を苦々しく思い、そして腹立ちも。


※この記事の投稿は2011/06/08 9:40
# by akane-kmj | 2011-03-11 20:00 | 311大地震・災害 被災者

311当日(2)

15時30分からの休憩を待って、TVのあるホールへ行くと、
TVでは次々と各地被害の速報が流されていて、やはり大変な事態と分かり、
そのうちに、何か、
まるでVTRの早回しでもしているかのような
これまで、パニック映画でもみたことがない、正体不明の画像。
一見ドロリとした、粘度があるとも見える流体が、広い広い面積を覆い尽くして
そこにある全てをなめ尽くしながらうごめく様子。

瞬時にはそれが何を映しているものなのか判断もつかず
まさに「想像を絶する」その画面に目を凝らしました。

『津波?・・・・・・あれは仙台?まさか・・・あの範囲が全部?!』

周りを見回しても、皆がじっと画面を見続けているだけで
殆どの人が声も出ない様子でした。

画面にはたくさんの地名と数字の羅列(あるいは氏名も?)と、
あとはその津波のVTR、各地の地図、日本地図。
涙が出そうになるのをこらえて携帯を拡げて、でも、
やはり電話はするべきではないと思い留まり、
そこへ、福島在住の親友から第一報メール。
================================
【ありがとう無事です】 11日15時50分

職場かなり被害 道 地割れ 倒壊家屋あり
でも無事
昨夜の赤い月 嫌な気分 大当たり

================================


メールが通じていることが分かり、返信しようとして、
多分私を含む友人達へ一斉送信したと思われる件名と
携帯電源確保が不明の間は、できるだけ負荷をかけぬように
こちらからの送信は思いどまり、
千葉の娘への連絡にSNS利用を思いついて、
また、宮城の友人のなかでも一番心細い思いをしているであろう
1歳の赤ん坊と二人暮らしの友人
================================
【安否】 11日16時16分

だけでも & できることなんでも
================================
と、休憩時間の終わる16時30分前に、電報のように短いメッセージ送信。


その後の19時の休憩で、
千葉に住む娘から、SNSでの返信がすぐに来ていたことを確認。
================================
【RE:安否】 11日16時35分

我が家の地震の被害そのものは軽微。
わかってると思うけど、電話は使わないでね!
テレビで映っている千葉の製鉄所火災、我が家のすぐ近く(><)
火災ね、被害くるほどではないけど、
化学臭で窓が開けられないよ

================================


反面、架電が中心業務である 私の職場の対応

被災地が架電対象地域でない として、
被災者配慮の若干の注意通達 のみ。
引き続き 通常通りの架電業務。
通信網圧迫への、めだった配慮なし。


に、心底がっかりし、

私が早退すれば、その分だけでも架電件数が減ると思われ、
何よりも、娘・友人のその後の安否不安などもあって、
やはりこの日は早退に決めました。

2011年3月11日、19時10分退社、帰宅20時。

※この記事の投稿は 2011/06/08 13:20
# by akane-kmj | 2011-03-11 20:00 | 311大地震・災害 被災者
<はじめに>  2011年 6月5日(月曜日) 15時投稿
※この記事が災害関連のTOPに来るように、ブログツールの投稿日時は地震当日にしてあります

3.11の未曾有の地震・津波災害、
それに伴う、起こるべくして起きた原発事故。

以来、非被災地である関西に住む私は、
被災地友人達の安否確認・通信確保・情報収集などで、右往左往でしたが、
あの日から間もなく3ヶ月になる今、
SNSやツイッターに書き散らかしてきたことや、これまで調べたことなどを、
整理しておく必要があると感じるに至りました。

考えてはいても、なかなか実行できずにいたこの作業ですが、
昨夜のNHKスペシャル「原発危機 第1回事故は なぜ深刻化したのか」
を視て感じた 「違和感」 「気持ちの悪さ」 をきっかけとして、
もうこれ以上延ばせないとの息苦しさを解消するために、
「取り急ぎ」今日スタートです。

誤解のないように書いておきますが・・・

( つづきは、こちらをクリック )
# by akane-kmj | 2011-03-11 14:46 | 初めての方へ


 著者:福​永​令​三
 ISBN9784061471344 講談社青い鳥文庫 (20‐4) \609円
 1984年03月10日
 クレヨン王国のパトロール隊長
 Amazonで購入



 子どもが図書館から借りてきて夢中になっているのを見て、順番も考えずに手に取った、クレヨン王国シリーズとの出会いの最初が、この『クレヨン王国のパトロール隊長』でした。
ちょっとだけ目を通すつもりがすっかり惹きこまれ、手に取ったその場に座り込んで、結局読み切ってしまいました。
初期のクレヨン王国の良いところは、分冊になっているものを除けば、それほど順番にこだわらなくとも、一冊一冊、シリーズを意識せずに読み切れるところかと思います。
後半はそうはゆかず、お話も登場人物も前後の関連を無視できませんが。

 このパトロール隊長はシリーズ初期の物なので、これ1冊でも完結した物語として読めます。
主人公は小学5年生の男の子、ノブオ。
子どもが、子どもとしてではなく、人格ある1人の人間として誠実に描かれており、その視点があるからこそ、ちょっとした誤解やズレが生む児童と先生のぎくしゃくとした関係を見事に描写できているのでしょう。
教師も児童も、ひとつの人格・多様な感情を抱えている人間であるという現実を前に、好き・嫌い・苦手意識を持つべきではないという建前は、人を窮屈にし、窮屈を我慢し過ぎると、いずれどこかがほころびます。

 ほころびが「叱り」「叱られる」という行為で現れる時、子どもは、子どもにとって理不尽な上下関係を、思い知らされます。
そのやりきれなさを抱えて、ノブオは集団行動から外れて山へ駆け出し、道に迷い・・・・・
・・・・・不思議なクレヨン王国へ。
そこでノブオは、「パトロール隊長」という役目を命じられ、様々な冒険と貴重な経験をすることになります。

ノブオがそこで得たもの、それがこの物語の真髄といえるかもしれません。
# by akane-kmj | 2010-10-10 00:00 | 読了:ファンタジー/冒険
著者:古川日出男
ISBN978-4-08-746233-3 集英社ふ23-3 \400+税
2007年11月25日第1刷発行版
2004年10月刊行本の文庫化
☆☆☆☆
   
前出「僕たちは・・・」を文字で奏でるバラッドとするなら
こちらは正真正銘の和製ロックンロール。
和製と言ったからといって、決してコケにしているのではなく
本場の洋モノロックとは比べられない、
日本の風土だからこそ生まれる、
魂の、叫びではなくつぶやき。
でも、握り拳でつぶやく、和製ロック。
短編集という言葉では無理がある、2ページの作品もあり
文庫のカバー裏解説にあるように「掌編集」。

「僕たちは・・・」を読み終わったばかりの、
研ぎ澄まされた(筈の)五感で味わいたくなっての、
再読です。

こちら、要約は一部のみ。



以下、ネタバレを嫌う方は読むのをお控えください。



『ラブ1からラブ3』
別れてしまったけれどなかなか気が合う相手だった元恋人への
失われた愛の証として「妖精」の存在証明に挑む。入念な準備と計画、
そして律儀なまでの計画の遂行。

『あたしはあたしの映像のなかにいる』

『静かな歌』

『オトヤ君』
天才児:千葉於莵弥は、合理的な母親の「ありえないわ」という言葉に、
その天才を黙殺され、ベビーカーの視点を超えられないのもやむなしとし、やがて・・・。

『夏が、空に、泳いで』

『台場国、立つ』

『ショッパーズ
 あるいはホッパーズ
 あるいは君のレプリカ』

『小さな光の場所』

『鳥男の恐怖』

『光の速度で祈っている』

『アルパカ計画』

『雨』

『アンケート』

『ベイビー・バスト、ベイビー・ブーム
 悪いシミュレーション』

『天使編』

『さよなら神さま』

『僕は音楽を聞きながら死ぬ』
強烈な愛情で結ばれていた妻が「音楽が聞こえる」と言いいながら病死したあと、
”僕が住んでいるから無人島ではない無人島”で隠遁生活を送っていた男の前に、
墜落した飛行機の積荷の数千枚のCDが。
男には再生装置など必要なく、ライナーノーツだけを読んで音楽を想像し、
幻聴として音楽を捉え、再生する。

『生春巻占い』
(べ)=ベトナム料理、それも、生春巻を食べた日は、
人語を話す猫の夢を見ることに、ある日気づき、
その日は生春巻を自覚的に食し、
そして、《大猫さま》に会う。

『ロックンロール中華街
ロックンローラーと、メンバーAとBとCとDと、スタッフαとβは、
全国三都市ホール・ツアーが成功したお祝いに、
憧れの中華テーブルを前にフカヒレ桃源郷にいるような”三昧の境地”で・・・・・

** 要約メモは、おって書くものもあります。
# by akane-kmj | 2010-01-12 00:00 | 読了:文芸その他
著者:古川日出男
ISBN978-4-04-363606-8 角川文庫ふ18-6 \476+税
2009年11月25日第1刷発行版
2006年11月刊行本の文庫化
抒情詩のような一篇☆☆☆☆


   
大人のファンタジーとでもいうか、「絵のない絵本」のような、
文字で描いたパステル画、
またはロックな古川文体から考えると、
文字で奏でるバラッド。

このホンは要約不可、というかすべきではない。
読者は持てる五感を駆使して古川ワールドを堪能するのみ。
# by akane-kmj | 2010-01-10 00:00 | 読了:文芸その他
著者:奥田英朗
(上)ISBN978-4-04-386001-2 角川文庫お56-1 \552+税
(下)ISBN978-4-04-386002-9 角川文庫お56-2 \514+税
平成19年年8月31日初版発行版
2005年6月角川書店刊行本の分冊文庫化
映画になっただけはあります☆☆☆
   

前日読み終えた短編集『ガール』が、思いのほか軽めのものだったので、
あれ?奥田英朗って、こんな感じだっけ?と、どうにも納得行かず、
以前読んだ(筈)の『サウスバウンド』を開いたら、
さすが、一気読みさせるエンターテインメント作家・・・
読みながら思い出しつつ、最後はどうなったっけ?と
ついつい読んでしまいました(笑)

どうしたことか、年初に読んだ数冊、申し合わせたように物語の核に「12歳」の子どもが据えられています。






以下、ネタバレを嫌う方は読むのをお控えください。



元過激派の父=上原一郎に翻弄される12歳の息子=上原二郎・・・といっても、
父は60年代後半~70年代前半の「あの全共闘時代」の闘士ではないという設定が、
奥田らしい「軽妙で痛快」な語りに生かされていて
「なんとなく沖縄問題」や「なんとなく環境問題」などなど、
それなりの主張はありながらも、豪放磊落な展開を見せて
最後は、奥田英朗って良い人なんだろうなぁと、ちゃんと思わせてくれる内容とオチ。

都心、中野ブロードウェイを通学路にする二郎が、親の因果が子に報いとばかり、
トイレが汲み取り式の沖縄の離島に一家で移り住むまでの、
元過激派を父に持つ家族のドタバタ劇の第一部と、
沖縄の離島に引っ越してまでゴタゴタに巻き込まれる父の業に、
やはり付き合わされてウンザリしながらも、
全く別な目で父を母を姉を見つめなおして、家族が家族として機能して行く様を描ききった第二部。

第一部には、子どもが大人の事情に振りまわされながらも
「子どもの事情」でしか対応できないことへのジレンマなどが
12歳目線で描かれていて、そのあたり秀逸。
ただ、最近、どういうわけか「12歳」が登場する小説を続けて読んでいるため、
つい比較してしまい、奥田英朗の描く12歳は、残念ながらやや幼く感じてしまった。
人によってフィールドが違うのだから、これはやむなしかもしれないが、
世の大人が信じて疑わない12歳の枠、そこに無理に押し込めないでもいいのではないかと思う。

たいへん読みやすく、映画の絵なども自然に浮かぶホンなので、
息抜きとして痛快な思いに浸りたい時・人向き。
# by akane-kmj | 2010-01-06 15:00 | 読了:ファンタジー/冒険

読了2010-004 ガール

著者:奥田英朗
ISBN978-4-06-276243-4 講談社文庫お84-6 \552+税

2009年1月15日第1刷発行版
2006年1月講談社刊行本の文庫化
フェミニスト奥田は好きですが・・・☆☆
   
働く女性、しかもだいたい中堅どころ(年の頃30歳以上50歳未満)が主人公
というお話を中心にした短編集。
作品は、
『ヒロくん』『マンション』そして表題作『ガール』
『ワーキング・マザー』『ひと回り』と、5篇。
文庫裏表紙には
[働く女子の気持ちをありえないほど書き込み、話題騒然となった云々]
とあり、また、解説の吉田伸子氏も、
[うわっ、完璧!]と1行目に書いていますが、
私はひねているのか、どうしてもそんなふうには読めなかったわけで。

周辺にそう見て貰いたいという「女子」に阿った、
そう、確かに「女子心」を軽くくすぐられる軽くて読みやすい
でもその分、底の浅さが垣間見えてしまう作品群。

作者と私は、多分、干支でひと回り近く違うと思われますが、
見事に、その「世代の感性の違い」を表出しているなぁと。

さてさて、私と同世代の「働く女性」のご意見を伺いたいものです。




以下、ネタバレを嫌う方は読むのをお控えください。



『ヒロくん』


『マンション』


『ガール』


『ワーキング・マザー』


『ひと回り』

** 以上の要約メモは、おって書きます。
# by akane-kmj | 2010-01-04 15:00 | 読了:文芸その他
著者:海堂 尊
(上)ISBN978-4-7966-6161-4 宝島社文庫599 \476+税
(下)ISBN978-4-7966-6163-8 宝島社文庫600 \476+税
2007年11月26日第1刷、2008年1月10日第4刷発行版
2006年2月宝島社刊行本の文庫化
さすが「このミス」大賞!☆☆☆☆
   

大好きな医療モノ。著者は現役の勤務医。
しかも、外れのない「このミス」大賞作品。
ということで、たいへん面白く読めました。
2006年の「このミス大賞」なので、
噂の・・・、というにはずいぶん年月が流れてしまいましたが、
私にとってはこれが初の海堂作品ですし、
おまけにこれが海堂氏のデビュー作というのですから、
楽しみが一つ増えたお得感を味わっています。

この作品、上下巻とはいうものの、上下あわせても
京極夏彦の『鉄鼠』の半分にも満たない分量で、
医療分野の専門的なことも非常に解りやすく描写されているため
ミステリー好きな方なら、夕方から深夜にかけて一気に読み終えることと思います。




以下、ネタバレを嫌う方は読むのをお控えください。



舞台は国立大学の独立行政法人化の嵐がひとしきり吹き荒れて、
「それなり」の構造改革が粛々と進められているかに見える、
東城大学医学部付属病院。

世間的には医療過誤問題をめぐって医療の透明性を求める機運が高まり、
国立大学付属病院などをひとつのモデルケースとして
リスクマネージメント委員会などと命名された内部組織が稼動し始めた頃。
そのような審査機関は内部組織にとどまらず、第三者機関の必要性なども叫ばれ、
同時に、長くくすぶる、日本における臓器移植問題も再燃しかけていた、
誰もが、なんとなく「ああ、あの頃ね。」と頷く、数年前が設定されている。

小説内での表記では、
バブル絶頂のイケイケガンガンが持て囃された時代から、
つまりは、「ジュリアナのお立ち台」時代から、およそ17年経過した頃
ということ。

大学病院の構造改革とは言っても、そこはそれ、
大学病院;白亜の巨塔に未練タップリの、権力志向の強い方々が
まだまだ大勢いる中で、
タヌキを想像させる風貌と、つかみ所のない「おとぼけ発言」ながらも
深く広い人脈を用いるなど、なかなかの政治手腕を示す高階病院長から、
ある「特命」を受けてしまうのが、通称「愚痴外来」で
のんびり不定愁訴患者を相手にしていた医者:田口という主人公。

病院内の権力闘争とは無縁な田口が拝命したその特命とは、
この病院の外科の、安っぽい言葉で言うと「セールスポイント」であり、
世間からはパーフェクトと賞賛されるスタッフチームによる
通称バチスタ式と呼ばれる特殊な術式の心臓手術における、
相次ぐ不審な「術死」の内部調査。

パーフェクトであるはずのチーム・バチスタにおける連続した術死は
果たして医療過誤か、あるいは偶然か、はたまた事件性が潜んでいるのか?

田口医師にとってはそれでなくとも鬱陶しい、権力志向の強い面々を相手の院内調査に
ややこしいことに、強烈なキャラクターを持ち合わせる厚生省役人の
白鳥(この名前はキャラとは正反対で、作者のお茶目度が現れている)
が準主役で絡み、論理的という表現とは裏腹なドタバタ調査が
面白おかしく、しかし緊張感タップリに進められ---
やがて、全容が明らかになってゆく。

医者の正義、医者に期待されること、期待される側のその重圧感、
そして日本の医療システムが抱える本質的な「デタラメさ」など、
単に面白い医療ミステリーものという範疇を超えて、迫るものがあるとしたら
この作者が現役の医者で、彼もまた悩み、人格が壊れそうになるハードワークの中
常に解決への模索を続けているからだろうと、生意気ながらそう思える。
# by akane-kmj | 2010-01-03 22:00 | 読了:ミステリー/探偵/刑事